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アーティスト・ステートメント

 

私は、個人と社会の空間に関わるテーマを探求するアーティストです。自然、環境、そして地理から着想を得ながら、作品を通してこれらの概念を視覚化しています。私の表現手法は、絵画、ドローイング、彫刻、インスタレーションと多岐にわたります。地理教育の経験を背景に、地図制作への強い関心を持ち、しばしば道路地図や古地図、地球儀といった地理的資料を作品に取り入れています。地球に似た抽象的な天体を表現した作品では、数百ページにおよぶ地図やアトラスを用いて、大陸や惑星を再構築しています。こうした柔らかな素材を通じて、私たちが知っている風景を再解釈し、地球温暖化による環境変化や、新たな境界線の創出について問いかけます。現代における移動の危機のなかで、物理的な境界は感情的な障壁ともなりうるのか、また、社会や個人によって異なる「パーソナル・スペース」とは何かという問題を探っています。ドローイングでは、刺繍のパターンを思わせる反復的なフォルムを多用し、それは蔓植物や化石といった有機的な形態を想起させます。彫刻作品「Rocks」や写真シリーズでは、断片化された地図を表面にまとわせ、内臓器官や架空の天体の地形のような不定形のフォルムを提示しています。私の制作プロセスは、精緻な手作業から即興的で自由な行為まで幅広く、実験と遊び心を通じて既存の要素を解体・再構築することで、新たな物語を生み出しています。それらは、現実に対する認識を揺さぶり、その意味と信憑性についての思索を促すものとなっています。

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